こんにちは。
りんです。
塔の外に出たいのに、
こわい。
『塔の上のラプンツェル』の
ラプンツェルの揺れる気持ちは、
私たちの心にもそっと重なります。
今回は、
この物語を心理の視点から読み解いていきます。



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ラプンツェルの心理を読み解く ― 不安と夢のあいだで揺れる心
「外に出たい」という本音
ラプンツェルは、
ずっと塔の中で育てられてきました。
外の世界を見たことがないのに、
夜空に浮かぶ灯りに、
強く心を引き寄せられます。
その灯りは、
彼女の中に眠る
「本当は広い世界を見たい」という願いそのもの。
- 今いる場所から一歩出てみたい
- このままでいいのかな…という小さな疑問
そんな思いが、
現実の私たちの胸にも
ふとよぎる瞬間がありますよね。
ゴーテルの言葉が作った“心のブレーキ”
ラプンツェルが一歩を踏み出せずにいた理由。
それはゴーテルから
繰り返し刷り込まれてきた言葉でした。
- 「外の世界は危険よ」
- 「ここにいれば安全なの」
この言葉が、
だんだん彼女自身の“内なる声”に変わっていったのです。
やりたい気持ちが湧いてきても、
- やっぱり無理かも
- 失敗したらどうしよう
- 自分には向いていない
と、自然にブレーキをかけてしまう。
これは、
過去の経験や周囲の言葉によって
誰の心にも生まれる
“思い込みのブレーキ”と重なります。
ワクワクと罪悪感の同時進行
ラプンツェルが塔を出たあとの描写が、
とても印象的です。
- 自由になれてうれしい
- だけど同時に、ものすごく不安
- こんなことをしていいのかな…という罪悪感
感情がぐちゃぐちゃになるほど、
人は“本当の挑戦”をしている証拠でもあります。
成長の一歩は、
スッキリ前向きな気持ちだけでは進めないのです。
怖さも、後ろめたさも、迷いも抱えながら進む。
それこそが自然な姿。
フリンとの出会いがもたらした変化
フリンは、
ラプンツェルの代わりに
決断してくれる存在ではありません。
彼女の気持ちを尊重し、
「あなたは、
ちゃんと自分で選べるよ」と背中を押す存在です。
彼がそばにいたことで、
ラプンツェルは
- 自分の気持ちを言葉にできた
- こわくても、進む意味を見つけられた
つまり彼は、
彼女の“自立”を奪うのではなく、
育てた相手だったのです。
「安全」と「幸せ」は同じじゃない
物語の大きなテーマは、
ここにあります。
守られている“安全”と、
自分で生きる“幸せ”は、
必ずしも同じではない。
どんなに安全な場所にいても、
心が閉じ込められていたら、
人は満たされない。
ラプンツェルが塔を出たのは、
ただ自由になりたかったからではなく
「自分で生きる人生を選びたかった」から。
ラプンツェルが教えてくれること
この物語は、
夢を追う人だけの話ではありません。
- こわくても、新しい一歩を踏み出したい人
- 誰かの期待を優先しすぎて苦しくなっている人
- 「今のままでいいのかな」と感じている人
すべての人に向けて、
優しく問いかけています。
こわさは、
あなたが“変わろうとしている証”。
安心の殻を破るとき、人は必ず揺れます。
そしてその揺れの中でこそ、
本当の自分に近づいていくのです。
まとめ

勇気とは、
こわくならないことではなく、
こわくても歩き出すこと。
ラプンツェルの選択は、
静かにそのことを教えてくれます。


