こんにちは。
りんです。
冬になると、
ふと聴きたくなる1曲があります。
レミオロメンの「粉雪」。
テレビや街中で流れるたび、
胸の奥がきゅっと締めつけられるような、
それでいてどこか懐かしく、
あたたかい気持ちにもなる。
そんな不思議な魅力を持つ名曲です。
「粉雪」が、
どうしてここまで多くの人の心に残り続けるのか。
歌詞とメロディが描く感情に、
そっと寄り添いながら読み解いてみます。



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同じ場所にいながら、すれ違っていく二人

歌の序盤では、
同じ景色を見て、
同じ寒さを感じながらも、
心だけがすれ違っていく二人の姿が描かれます。
人混みの中で、
同じ空を見上げているのに、
気持ちはどこか噛み合わない。
物理的には近くにいるのに、
心の距離は少しずつ離れていく。
この描写は、恋人同士に限らず、
長く一緒にいる家族や夫婦、
大切な人との関係にも重なるものがあります。
「全部わかっているつもり」だった未熟さ

歌の中で語られるのは、
「君のすべてを知っているわけじゃない」という、
どこか自嘲気味な気づき。
それでも、
たくさんの人の中から
「特別な存在として選んだ」ことだけは揺るがない。
”根拠なんてないけれど、
本気で想っている。”
この言葉に宿るのは、
恋のまっすぐさと同時に、
相手の本当の心を
見ようとしきれなかった未熟さでもあるのかもしれません。
ぶつからずにいれば、うまくいくわけじゃない

「粉雪」は、
喧嘩のない関係を決して理想として描きません。
言い合いを避け、
本音を飲み込み、
気持ちを伝えきれずに過ごす毎日。
それは表面上は穏やかでも、
心の奥では、
喜びも、悲しみも分かち合えなくなっていく。
本当は、
衝突してでも気持ちを交わせたなら、
2人の関係は違っていたのかもしれない。
そんな“届かなかった本音”の悔しさが、
この曲には静かに流れています。
「粉雪」が象徴するもの

この歌において、
粉雪は“消えてしまいそうな想い”の
象徴のようにも映ります。
触れたら溶けてしまうほど、
儚くて、もろい感情。
”もし心まで真っ白に染められていたなら、
互いの孤独を分け合えたのだろうか”
この問いには、
後悔と優しさ、
そして叶わなかった願いが
込められているのかもしれません。
耳を澄まし、相手の声を探す

曲の終盤では、
相手の心の声に耳を押し当て、
その声のする方へ向かおうとする描写が現れます。
それは、
もっと相手の本音を聴きたかった、
という遅すぎる後悔であり、
それと同時に、
“それでも君を理解したかった”という
最後の願いでもあります。
間に合わなかった想いほど、
人の心に深く残る。
だからこそ、「粉雪」は聴くたびに
胸の奥をそっと締めつけるのです。
大人になるほど沁みる理由

若い頃は、
切ないラブソングとして聴いていた「粉雪」。
けれど大人になると、
この曲に滲むのは、
恋の切なさだけではありません。
- 言えなかった「ごめんね」
- 伝えられなかった「ありがとう」
- 近くにいるからこそ生まれた、甘えと油断
人生の中で誰もが経験する、
“すれ違いの記憶”が、
この曲と自然に重なっていくのです。
「粉雪」は、人生の節目に寄り添う歌

この歌は、
過去の恋を思い出させるだけでなく、
いま目の前にいる大切な人との関係を
そっと見つめ直させてくれます。
当たり前のようにそばにいる存在に、
ちゃんと気持ちを届けられているだろうか。
すれ違う前に、
耳を澄ませて声を聴こうとしているだろうか。
そんな問いを、
やさしく投げかけてくれる一曲です。
まとめ

レミオロメンの「粉雪」は、
失恋の歌であると同時に、
「想っているだけでは、伝わらない」
という、人生の真実を描いた物語でもあります。
だからこそ、
冬が来るたび、
年齢を重ねるたびに、
この曲はいっそう深く心に沁みていくのです。
今年も街に粉雪が舞うころ、
あらためて
大切な人の声に、
そっと耳を澄ませてみたくなるのではないでしょうか。


